No.12 富本の芦毛
通称「富銭号」


奈良県明日香村の飛鳥池遺跡で鋳造された富本銭は、「日本書紀」天武12(683)年4月の記述により「日本最古の鋳造貨幣」と認識されるようになった。しかし、東日本では現在3枚しか発見されておらず、畿内以外ではそれほど流通しなかった可能性もある。それだけに3枚のうち2枚が高森町の武陵地1号古墳と近接する飯田市座光寺恒川遺跡付近で発見されたことは、この地が天武政権から認められた重要な地域であった証であろう。
その貴重な1枚から生まれたのが 「富本の芦毛」である。たてがみは富本銭鋳造の連銭の様子を表し、馬体の芦毛が「七曜の星」に見える。これから成長し天翔ける白馬になる姿が想像される。