No.16 研ぎ師:研四郎
通称「ケンシロウ」


「砥石」とは刃物を研ぐのに用いる石。日本の刃物は高炭素鋼を使用し、十分に焼入れをする硬質の刃物で、これを研いで鋭利な刃先を得るには、上質の砥石がなくてはならない。日本では早くから各地で上質の天然砥石を産出し、それによって日本の刃物文化が発達したともいえる。堆積岩の一種の水成岩を原料とし、粒子の粗い荒砥、中間ぐらいの中砥、細かい仕上砥がある。京都の丹波青砥、愛知の名倉砥、三河白、群馬の沼田砥など、産地名がそのまま品名として広く知られ、流通していた。
当館の付喪神「ケンシロウ」は松岡城の発掘調査によって発見され誕生した。松岡城では鉄器や銅器を溶かし修繕する「羽口」とともに発見されたことから、小鍛冶に加え「研ぎ師」もいて、刃物などの修繕を行っていたと考えられる。