No.18 メーツム
通称(そのまま)「メーツム」


繊維に撚りをかけて糸に紡ぐ道具から生まれた付喪神である。糸を巻き取る道具を紡錘
といい、糸を巻き取る際に軸の回転に惰性を与えるはずみ車が紡錘車である。遺跡から出土
する紡錘車は通常、石製もしくは土製で、直径4~5cm程度の扁平な円形をしており、中
央に1孔軸を通すための穴をあけている。土製のものには土器片を加工したものもみられる。このほか木製・鹿骨製のものが知られる。日本では弥生時代になって広く普及したが、縄文時代に存在した可能性もある。古墳時代には石製が多く、文様などが線刻された例もある。また奈良時代以降に鉄製品もあるが、それを軸と一体化したものが、紡錘である。 当館の「メーツム」は羊のような顔をしているが、繊維は羊毛よりも麻・絹・綿を紡ぐことが多かった。