No.20 火打石・火打金:発火坊「侃々」
通称(そのまま)「かんかん」


火打石と火打金は、双方を打ちあわせて火花を出す発火具である。
出土品から、古墳時代にはすでに使われていたことが知られており、室町時代には木片に火打金を打ち付けたものが商品として普及し、江戸時代にはさまざまな形のものが売られていた。これで得た火花を木屑や木の皮などを用いた火口に取り、付木に移して火種とした。
発火坊「侃々」は、剛直な性格で曲がったことが嫌いな坊さん付喪神である。理屈に合わないことを見聞きするとカンカンに怒り、石頭を火打金にたたきつけてもぐさのひげに火をつける。相手が誰であろうと議論を吹っ掛けるので煙たがられるが、根は優しい爺さんである。